いぶきとらのお (伊吹虎尾)
学名 |
Bistorta officinalis subsp. japonica (B.major var.japonica, Polygonum
bistorta subsp.japonicum) |
日本名 |
イブキトラノオ |
科名(日本名) |
タデ科 |
日本語別名 |
ヤナギソウ、エビクサ、ヤマダイオウ |
漢名 |
拳參(ケンシン,quánshēn) |
科名(漢名) |
蓼(リョウ,liăo)科 |
漢語別名 |
紫參(シシン,zĭshēn)、拳蓼(ケンリョウ,quánliăo)、刀剪藥(トウセンヤク, daojianyao)、破傷藥、疙瘩參、蝦參・山蝦子、回頭參、山柳柳、石蠶、刀槍藥、馬峰七、 |
英名 |
Bistort, Snakeweed |
2007/04/19 薬用植物園 |
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2007/05/08 小石川植物園 |
2007/05/10 薬用植物園 |
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2017/07/08 長野県蓼科山 |
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2008/07/24 長野県霧が峰 |
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辨 |
イブキトラノオ属 Bistorta(拳參 quánshēn 屬)には、世界に約30-40種がある。
アブクマトラノオ B. abukumensis
ナガバノイブキトラノオ B. alopecuroides(Polygonum alopecuroides;狐尾蓼)
異分類 朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・モンゴリア・極東ロシア・シベリア・中央アジア産
B. amplexicaulis(Polygonum amplexicaulis;抱莖蓼)湖北・四川・雲南・ヒマラヤ産
var. sinensis(中華抱莖蓼・鷄血七) 陝西産 『全国中草葯匯編』下/323-324
B. attenuata(Polygonum attenuatum;毛耳葉蓼)
B. elliptica(Polygonum ellipticum, P.attenuatum;橢圓葉拳參)
吉林・極東ロシア・モンゴリア・シベリア・中央アジア産
ナンブトラノオ B. hayachinensis(Polygonum hayachinense)
B. macrophylla(Polygonum macrophyllum, P.sphaerostachyum;圓穗蓼)
湖北・陝甘・青海・西南・チベット・ヒマラヤ産 『週刊朝日百科 植物の世界』4-214
マンセンイブキトラノオ B. manshuriensis(Polygonum manshuriense, P.bistorta
var.ussuriensis;耳葉拳參・耳葉蓼)
異分類 朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産
オホーツクイブキトラノオ B. ochotensis(Polygonum bistorta subsp.ochotensis;
倒根拳參;倒根蓼) 異分類
B. officinalis(Persicaria bistorta, Polygonum bistorta;拳參・拳蓼)
『中国本草図録』Ⅰ/0039・『中国雑草原色図鑑』20
subsp. officinalis(B.paleacea, B.major, B.vulgaris,
Polygonum paleaceum, P.lapidosum;草血竭・紅莖蓼・石生蓼)
歐洲~シベリア産 『全国中草葯匯編』上/610-611
イブキトラノオ subsp. japonica(B.lapidosa, B.major var.japonica,
Polygonum bistorta var.japonicum)
エゾイブキトラノオ subsp. pacifica(B.pacifica, Polygonum pacificum,
B.ussuriensis, P.regelianum)
北海道・本州(白山以東)・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産
ウラジロイブキトラノオ B. pacifica(B.encana;太平洋蓼)
異分類 朝鮮・極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江産
B. perpusilla ヒマラヤ産。『週刊朝日百科 植物の世界』7-212
クリンユキフデ B. suffulta (Polygonum suffultum;支柱蓼・紅三七・九牛造)
var. suffultoides(珠芽支柱蓼) 雲南産
B. tenuicaulis
オオハルトラノオ var. chinophila 本州(富山県~広島県)産
ハルトラノオ var. tenuicaulis(Polygonum tenuicaule)
ムカゴトラノオ B. vivipara (Polygonum viviparum;珠芽蓼)
『雲南の植物』73・『中国本草図録』Ⅲ/1091
B. yunnanensis(B.chinensis, B.paleacea, Polygonum yunnanense, P.chinensis;
草血竭・紅莖蓼) 四川・貴州・雲南・インドシナ・アッサム産
『中国本草図録』Ⅴ/2060
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タデ科 Polygonaceaee(蓼 liăo 科)については、タデ科を見よ。 |
訓 |
和名虎の尾は、花の形から。
和名を「虎の尾」と呼ぶ植物について、オカトラノオを見よ。 |
『延喜式』紫參に、「チゝハクサ、チチノハクサ」と。
『倭名類聚抄』紫參に、「和名知々乃波久佐」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』に、拳參は「ヤナギサウ ヱビクサ イブキトラノヲ ヤマダイワウ」と。
岩崎灌園『本草圖譜』(1828)に、「紫參 はるとらのを」と。 |
參(シン,shēnの字義は、オタネニンジンの訓を見よ。 |
説 |
種としては、広く北半球の温帯・寒帯に分布。中国では、遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・寧夏・山東・華東・兩湖に産。
日本産のものは subsp.japonica。 |
誌 |
葉は蔬菜とし、根茎はまた救荒食にする。 |
中国では、イブキトラノオ属 Bistorta(拳參 quánshēn 屬)の次の植物の根茎を拳參(ケンシン,quánshēn)・草河車(ソウカシャ,căohéchē)と呼び、薬用にする(〇印は正品)。『全國中草藥匯編 上』 pp.653-655
ナガバノイブキトラノオ B. alopecuroides(Polygonum alopecuroides;狐尾蓼)
B. attenuata(Polygonum attenuatum;毛耳葉蓼)
B. elliptica(Polygonum ellipticum, P.attenuatum;橢圓葉拳參・毛耳葉蓼)
B. macrophylla(Polygonum sphaerostachyum;圓穗蓼・球穗蓼)
〇マンセンイブキトラノオ B. manshuriensis(Polygonum manshuriense;耳葉拳參)
オホーツクイブキトラノオ B. ochotensis(倒根拳參)
〇B. officinalis subsp. officinalis(Polygonum lapidosum;
拳參・草血竭・紅莖蓼・石生蓼)
ムカゴトラノオ B. vivipara (Polygonum viviparum;珠芽蓼)
また紫參(シシン,zĭshēn)は、今日では拳參と同物異名。
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